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Define それぞれ sorezore Meaning ソレゾレ

Displaying results for それぞれ (sorezore・それぞれ・ソレゾレ) – ryukyu

A dictionary of the Ryukyuan language

Results from the 沖縄語辞典 データ集 Okinawago jiten dēta-shū (Okinawan Language Dictionary Data Collection), published by the National Institute for Japanese Language and Linguistics, © CC BY 4.0.

Search languages: Japanese → Okinawan

それぞれ

Dictionary of the Practical Use of Okinawan

Results from the うちなーぐち活用辞典テキストデータベース Uchinaaguchi katsuyō jiten tekisuto dētabēsu (Dictionary of the Practical Use of Okinawan), by Shinsho Miyara, © CC BY-ND 3.0 DEED.

Search languages: Japanese ↔ Okinawan

なー

  • それぞれ
  • Example phrases
    • なー ちねーぢねーぬ しーよーぬ あくとぅ、わかてぃ ふぃれー すし やん。
      (家庭それぞれのやり方があるので、分かってつき合うものだ)
    • なー やーやーぬ しーよーぬ あくとぅ、っちゅぬ やーぬ くとぅ っわーばぐとぅ いーしぇー あらん。
      (それぞれの家庭のやり方があるので、人様の家のことに余計なことを言うものではない)
    • なー めーめーぬ かんげー
      (=なー かんげー かんげー/なー かめー がめーぬ かんげー)

    • (各人各様の考え)
    • なー めーめーぬ かんげー あがみてぃびけー をぅいねー、みーうすらってぃ かんぬーな くとぅ みーらん ないん。
      (各人各様の考えを尊重してばかりいると、目が見えなくなってしまい肝心なことが見えなくなる)
    • なー すくぶんすくぶん
      (自分の職分に応じて)
    • っちゅぬ あちまいねー なー かってぃがってぃぬ あくとぅ まぎわじゃん ないん。
      (人が集まればそれぞれの専門があるので大きなこともできる)
    • なー いーいーっし うむいぬ ぐとぅ めーんかい あがかん。
      (それぞれ勝手なこと言って前に進まない)
    • すいんっちょー すりーずりー、なーふぁんちょー なーはいばい。
      (首里の人は連れ立って、那覇の人は三々五々に集まる)
    • うやふぁーふじから うきちぢちゃる なー むらむら、なー しまじまぬ むちめーぬ くとぅばー 「しまくとぅば」んでぃ いーん。
      (先祖から受け継いで来た各地域のことばは「しまくとぅば」と言う)
    • なー んけーんけーぬ しくちぬ あいどぅ すくとぅ、くぬ しくちぇー っやーんかえー んかーん。
      (それぞれ向いた仕事があるものなので、この仕事はあなたには向かない)
    • あまぬ やーや うやとぅ っくゎとー じぬん なー もーきもーき、かむる むぬん なー くぇーぐぇー やんでぃ。
      (あそこの家は親と子はお金もそれぞれで稼いで、食べる物もそれぞれで食べるんだって)
    • あまぬ やーにんじょー ちゃーる ぐまわらび やてぃん ちゅいなー ちゅいなーぬ むちめーぬ あん。
      (あそこの家族はいかに小さい子でも一人一人の役目がある)

Audio Database of Hatoma Lexicon

Results from the 鳩間方言 音声語彙データベース Hatoma hōgen onsei goi dētabēsu (The Audio Database of Hatoma Lexicon), by Shinichi Kajiku and Natsuko Nakagawa, © CC BY-SA 3.0 DEED

Search languages: Yaeyama (Hatoma) ↔ Japanese

ブンナブンナ [⸢bun⸣nabunna] (名)

  • めいめい(銘銘)。各自。それぞれ。「居りな居りな」の義か。
  • Example phrases
    • ⸢ナー ブン⸣ナブンナ ⸢ドゥー⸣ヌ パ⸢タキ⸣ヌ ⸢ティーリバ⸣ル ⸢シー ブー
      [⸢naː bun⸣nabunna ⸢duː⸣nu pḁ⸢taki⸣nu ⸢tiːriba⸣ru ⸢ʃiː buː]
      (もう各自<銘銘{EOS}居る者それぞれ>自分の畑の手入れをしている)

アイザムトゥ [⸢ʔai⸣ʣamutu] (名)

  • 西村と東村の旗頭が出会う場所。小底家の東南(巳の方角)の十字路。「会い座元」の義か。西村と東村の境界線となる縦道と沿岸道路の横道が交差した所。そこは、ピ⸢ナイ⸣ウガン[pi⸢na⸣ʔiugaŋ](鬚川御嶽)と⸣サンシキ[⸣saŋʃi̥ki](桟敷)を画する縦道に通ずる所でもある。友利御嶽から、朝の祈願を終えたサ⸢カサ、ティ⸢ジリ⸣ビーの神職者たちがカンシバを頭に巻いて、道歌を歌いながら下りて来られるのを、⸣サンシキで待機していたヤ⸢ク⸣サ[ja⸢ku⸣sa](村役人)や⸢スー⸣ダイ[⸢suː⸣dai](総代{EOS}部落会長)らがアイザムトゥで恭しく出迎えて、⸣サンシキヌウタ[⸣saŋʃi̥kinuʔuta](桟敷の歌)を歌い終える。それを合図に、アイザムトゥではドゥ⸢ラーン[du⸢raːŋ](銅鑼)が一段と強く打ち鳴らされ、東西の旗頭が合流し、東の旗頭を先頭にして⸣サンシキ(桟敷)へ入場し、余興が開始される。⸢パー⸣レー[⸢paː⸣reː](爬竜船競漕)が済んで旗頭がトゥ⸢ニムトゥへ帰る際にも⸢アイ⸣ザムトゥで旗頭を揃え、⸢アイ⸣ザムトゥの歌を歌って来年の豊年豊作を予祝してそれぞれのトゥニムトゥへ帰る

カキヤー [kḁ⸢ki⸣jaː] (名)

  • イカを引っ掛けて獲る漁具。直径約2ミリの鉄線の両端を研いで、その中央から二つに折り曲げ、それぞれを更に釣り針状に折り曲げて鉤を造る。それらを直径1、2センチ、長さ約1メートルの竹竿の先端に針金で数個巻きつけ、強く縛り付けたもの。これで海面に群れてくるイカを引っ掛けて漁獲した。
  • Example phrases
    • カ⸢キ⸣ヤーサーリ イ⸢ガ⸣ ガキ トゥ⸢ローッ⸣タ
      [kḁ⸢ki⸣jaːsaːri ʔi⸢ga⸣ gaki tu⸢roːt⸣ta]
      (カキヤーでイカを引っ掛けて漁獲され<獲られ>た)

カマチ [ka⸢maʧi] (名)

  • かまど(竈)。鍋や釜をかけて炊飯するところ。へっつい。竈は粘土を捏ねて炊事場のナ⸢カ⸣ザ[na⸢ka⸣ʣa](土間)の西側壁面の前に造った。ウ⸢ブカマ⸣チ[ʔu⸢bukama⸣ʧi](大竈{EOS}⸢シンマイ⸣ナビ{SqBr}⸢ʃimmai⸣nabi{/SqBr}<四枚鍋{EOS}芋を煮る大型の鍋>用の竈)、ナ⸢カカマ⸣チ[na⸢kakama⸣ʧi](中竈{EOS}⸢イー⸣ナビ{SqBr}⸢ʔiː⸣nabi{/SqBr}<飯鍋{EOS}ご飯を炊く鍋>、⸢スー⸣ナビ{SqBr}⸢suː⸣nabi{/SqBr}<汁鍋{EOS}お汁を炊く鍋>用の竈)、カ⸢マチェー⸣マ[ka⸢maʧeː⸣ma](小竈{EOS}⸣ヤコン{SqBr}⸣jakoŋ{/SqBr}<薬缶{EOS}湯沸し>用の竈)の三種の竈を造り、それぞれの竈の前面に「水」の文字を刻印するのが慣わしであった。竈の後方には、山石、野石、海石の三個を置き、ピ⸢ナカン[pi⸢nakaŋ](火の神)として信仰した。
  • Example phrases
    • ピ⸢ナカンマー⸣ イ⸢シ ミック⸣ ビ⸢シティ⸣ ウ⸢ガ⸣モーッタ
      [pi⸢nakammaː⸣ ʔi⸢ʃi mikku⸣ bi⸢ʃiti⸣ ʔu⸢ga⸣moːtta]
      (火の神は山の石、野の石 海の石の三個を据え供えて信仰され<拝まれ>た)

サカサ [sḁ⸢kasa] (名)

  • 司。女性の神職者。⸢カン⸣プス[⸢kam⸣pu̥、su](神職者{EOS}「神人」の義)で、担当する⸣ウガン[⸣ʔugaŋ](お願{EOS}御嶽)の⸣ウボー[⸣ʔubou](威部{EOS}霊域)を護る神女。毎月の朔日、十五日には⸣ウガン[ʔugaŋ]にお参りをして祈願をした。キ⸢ザル[ki⸢ʣaru](村の祭祀)には神事の中心となって、担当する⸣ウガン[⸣ʔugaŋ](お願{EOS}御嶽)で祈願をする。⸣サーダカマリ[⸣saːdakamari](セジ高い生まれ{EOS}生来霊感のすぐれた人)で、カ⸢ンダー⸣リ[ka⸢ndaː⸣ri](神懸り)したり、フ⸢ダマリ[ɸu⸢damari](神懸り{EOS}体調を崩したりして寝込んでいて、急に神が憑依して常人と異なる言動をし、神託を告げるようになること)  によって就任する。⸣シジ[⸣siʣi](血筋)、ピ⸢キ[pi̥⸢ki](御嶽を中心とする血統)によって所属する御嶽(お願)のサカサが誕生する。サカサ(司)に就任することを、⸣ヤマ ダ⸢クン[⸣jama da⸢kuŋ](山を抱く)という。特定の⸣ウガン[⸣ʔugaŋ](御嶽)でサカサの欠員が生じた場合、それぞれのピ⸢キ[pi̥⸢ki](血統)の御嶽で祈願をし、ウ⸢ク⸣ジ バ⸢リ[ʔu⸢ku⸣ʣi ba⸢ri](神籤を占い)、後継者を決定した。また、⸣シジダカマリ[⸣ʃiʣidakamari](セジ高い人)で病弱な状態が続いた場合、石垣島の⸣サンギンソー[⸣saŋginsoː](三世相{EOS}易者)やユタ[ju⸢ta](かんなぎ{EOS}口寄せする巫女{EOS}霊能者)に観てもらい、継ぐべき神職を決めてもらうこともあった。また本人が神がかり状態になって、神司職を継ぐべき御嶽の神意を告げることもあった。神懸り状態になることを、フ⸢ダマルン[ɸu⸢damaruŋ]という。
  • Example phrases
    • サ⸢カサー カンダー⸣リ シ⸢ティ⸣ ウ⸢ガ⸣モール プ⸢スン オー⸣リ フ⸢ダマリティ⸣ ナ⸢ロー⸣ル プ⸢スン オー⸣ルン
      [sḁ⸢kasaː kandaː⸣ri ʃi̥⸢ti⸣ ʔu⸢ga⸣moːru pu̥⸢suŋ ʔoː⸣ri ɸu⸢damariti⸣ na⸢roː⸣ru pu̥⸢suŋ ʔoː⸣ruŋ]
      (司は神懸りして拝まれる人もおられ、フダマリ<神懸り>して神託によって成られる人も居られる)
    • 1970年頃の司は、⸢ウイヌ⸣ウガン
      [ʔuinu⸣ʔugaŋ]
      (友利御嶽{EOS}加治工千代氏)
    • 、ピ⸢ナイ⸣ウガン
      [pi⸢nai⸣ʔugaŋ]
      (鬚川御嶽{EOS}花城イガ氏)
    • 、ニ⸢シ⸣ドーウガン
      [ni⸢ʃi⸣doːʔugaŋ]
      (西堂御嶽、米盛クヤ氏)
    • 、ア⸢ラ⸣カーウガン
      [ʔa⸢ra⸣kaːʔugaŋ]
      (新川御嶽、吉川信子氏)


    • あった)

サンダンブー [⸣sandambuː] (名)

  • {Mn_1}帆の大きさの名称。布三反分の大きさの帆。三反帆船。長い径が五尋、短い径が 二尋の帆船。帆の長径、短径が次のようになっていて、それぞれの名がある。すなわち、四反帆は長径五尋三尺に短径二尋五寸。五反帆は長径七尋に短径二尋ニ尺五寸。六反帆は長径八尋に短径二尋四尺。七反帆は長径九尋に短径三尋一尺。八反帆は長径九広に短径三尋一尺六寸『石垣方言辞典』。

スクミ [su̥⸢kumi] (名)

  • {Mn_2}構造。組み立て。若年層には、シ⸢クミ[ʃi̥⸢kumi]という人もいる。豊年祭や結願祭にはブ⸢ドゥル[bu⸢duru](踊り)、⸢キョンギン[⸢kjoŋgiŋ](狂言{EOS}演劇)の練習をするが、⸢バング⸣バリ[⸢baŋgu⸣bari](⸢番配り」の義{EOS}番組配置{EOS}出演順序{EOS}プログラム{EOS}入子型演舞配置)に従って総仕上げの練習をすることをいう。西村、東村それぞれ極秘に、出し物が相手方に漏れないように警戒して練習した。昭和30年ごろまでは、スクミが近づくと、それぞれに相手方の番組を密かに内偵しあいながら演舞を競いあったものである。
  • Example phrases
    • ⸢プールゾーラキ⸣ヌ ス⸢クメー⸣ イ⸢チ⸣ヤー
      [⸢puːruʣoːraki⸣nu su̥⸢kumeː⸣ ʔi⸢ʧi⸣jaː]
      (豊年祭の奉納舞踊<上楽舞踊>のリハーサル<シクミ>は何時ですか)

ティーイナシキ [⸢tiːʔina⸣ʃi̥ki] (名)

  • てぎね(手杵)。たて杵。単に、イ⸢ナ⸣シキ[ʔi⸢na⸣ʃi̥ki](杵、「稲舂」の義)ともいう。直径約10センチ、長さ約90センチの樫の円柱で作った杵。中央部を削って握りやすいように作ってある。普通は家庭の婦女子が一人で必要に応じて、必要な分だけ米を搗いた。⸢アイダ⸣チ[⸢ʔaida⸣ʧi](横杵{EOS}⸢相槌」<『日葡辞書』>の転訛か)は複数の女性が一緒に米を搗く際に用いた杵である。家屋建築や祝儀、法事の際には庭に搗き臼を並べて、それぞれの臼に2~3人の婦人が向き合いながら米を搗くのが普通であった。昭和40年ごろから石垣島の精米所に依頼して米を送って精米してもらうようになった。精米賃は精米した米から差し引いて依頼者へ届けられた。
  • Example phrases
    • ム⸢カ⸣シェー シ⸢キ⸣ウシナー ⸢マイ⸣ イ⸢リティ⸣ イ⸢ナシ⸣キシル ⸢マイヤー⸣ ッ⸢サウタ⸣ル
      [mu⸢ka⸣ʃeː ʃi̥⸢ki⸣ʔuʃinaː ⸢mai⸣ ʔi⸢riti⸣ ʔi⸢na⸣ʃi̥kiʃiru ⸢maijaː⸣ s⸢sauta⸣ru]
      (昔は搗き臼に米を入れて杵で<ぞ>米は精げたものだ)

ナーシーシ [⸢naː ʃiːʃi] (連)

  • 各自でしながら。銘銘のやり方。それぞれの仕方。
  • Example phrases
    • キ⸢ナイヌ⸣ ム⸢ティ⸣ヨーン ⸢ナー シーシ シー⸣ヨーン ア⸢リ⸣ブ
      [ki⸢nai⸣ mu⸢ti⸣joːn ⸢naːʃiːʃi ʃiː⸣joːŋ ʔa⸢ri⸣bu]
      (家庭の運営方法<持ち方>にも銘銘の仕方がある)

ナータマシ [⸢naː tamaʃi] (連)

  • 各自の受け取り分。それぞれの分け前。各自の配分。
  • Example phrases
    • ⸢ナー タマシヌ⸣ ザイサンマー ⸣ドゥーシル カ⸢キン⸣ゴー ⸢スー
      [⸢naː tamaʃinu⸣ ʣaisammaː ⸣duːʃiru kḁ⸢kiŋ⸣goː ⸢suː]
      (各自の分け前の財産は自分で保管、管理をするものだ)

パーレー [⸢paː⸣reː] (名)

  • 爬龍船競漕の行事。旧暦六月のミ⸢ジニー[mi⸢ʤiniː](壬)の日を選んで執り行われる⸢プー⸣ル[⸢puː⸣ru](豊年祭)の初日、⸢ゾーラキ[⸢ʣoːraki](西村、東村対抗の伝統的入子型奉納舞踊)の最終演目の終了と同時に、イ⸢リクヌ⸣ティー[ʔi⸢rikunu⸣tiː](入子の笛)が一段と高く吹き鳴らされると、ドゥ⸢ラーン[du⸢raːŋ](銅鑼)が強打され、カシラ持ちが旗頭を持ち上げ、棒踊りの曲に合わせながら東回りでカシラ[ka⸢ʃi⸣ra](旗頭)を⸣サンシキ[⸣saŋʃiki](桟敷)の浜に移動させる。浜には東西に二本のポール(旗頭の支柱)が立っており、カシラを支柱に結わえて立てておく。ポールの前には、東西の⸢パーレー⸣フニ[⸢paːreː⸣ɸuni](爬龍船)が並べてある。サ⸢カサ[sḁ⸢kasa](司{EOS}女性神職者)やティ⸢ジリ⸣ビー[ti⸢ʤiri⸣biː](男性神職者)達が所定の座に着かれると、二艘の⸢パーレー⸣フニは漕ぎ手達によって、手で下げ持つようにして勢いよく進水され、漕ぎ手たちが一斉に乗船する。漕ぎ手が乗船すると、舳先が揃えられる。同時に⸢ユークイジラ⸣マ[⸢juːkuiʤira⸣ma](世乞い歌<豊年を引き寄せる神歌{EOS}世乞いジラマ>)が神職者、漕ぎ手、村人達によって厳かに歌い出される。漕ぎ手達は神歌ジラマのフレーズに合わせてゆっくりと一櫂漕いで櫂を高く持ち上げ、一節歌い終えて櫂を海に入れ、一漕ぎして船を進める。東西の爬龍船はトゥ⸢ムヌー⸣ル[tu⸢munuː⸣ru](船頭{EOS}艫乗り)によって直径約30メートルの円形に漕ぎ回されて舳先を揃え、出発の銅鑼の音を合図にスタートする。爬龍船は沖合い約200メートルに浮かべた折り返し点を目指して漕ぎ進む。折り返し点には⸢ブイ[⸢bui](浮標{EOS}うき{EOS}英語からの借用語)に小旗が立ててあるので、そこでUターンして桟敷の方へ漕ぎ帰る。ブイは桟敷から鳩離島のパンガマイシ[⸢pagamaiʃi](羽釜石)とピ⸢ナイサキ[pi⸢naisaki](ピナイ崎)のマ⸢ニ⸣ツァイシ[ma⸢ni⸣ʦaiʃi](俎板石)の方向にあわせることになっている。パーレーフニがターンする際に船頭が小旗を櫂で倒す。これがルールであるが、出発の時点で、神歌の歌詞に東と西で違いがある。東の神歌の歌詞が一節だけ長い。従ってスタート時点において西村の爬龍船が一櫂入れる分だけ早めにスタートすることになるので、常に西村の爬龍船が勝つ仕組みになっている。これは西村<女性>が勝てば豊年が約束されるという伝承に基いている。若い人達はこの仕組みを知らないから、喧嘩沙汰を引き起こしたこともあった。両爬龍船がスタートした浜に到着すると、イ⸢チバン⸣ヤク[ʔi⸢ʧibaɲ⸣jaku](一番漕ぎ手)が船から飛び降り、サ⸢カサ達の座っているところへ駆け上り、先着順に uby{跪}{ヒザマズ}いて神酒を頂く。その間、浜では老若男女銅鑼や太鼓を乱打して⸢ガー⸣リ[⸢gaː⸣ri](応援{EOS}「自慢合戦」の義)をする。それが済むと、漕ぎ手を先頭に、⸢ユーアギジラ⸣マ[⸢juːagiʤira⸣ma](世揚げジラマ<豊年を迎える神歌>)と⸢パイミジラ⸣マ[⸢paimiʤira⸣ma]を応援参加者も共に歌いながら、東西それぞれの爬龍船の回りを廻る。漕ぎ手は櫂を立てて囃子の「サーユイユイ」と「ハイヨーシュラヨー」の部分を歌いながら進み、立てた櫂を左右に振る。爬龍船に海水が沢山入るとユ⸢ガフー[ju⸢gaɸuː](世果報)が uby{齎}{モタラ}されたといって喜ぶ。船のあか(淦)を方言で⸣ユー[⸣juː](湯)ともいうが、それを⸢ユー[⸢juː](世{EOS}世果報)に掛けたものである。歌い終わると、東村を先頭にして桟敷へ戻る。サカサ達が所定の場所に座ると、旗頭をサカサ達の前に立てて、⸣サンシキヌウタ[⸣saŋʃikinuʔuta](桟敷の歌)を歌う。それが済むと旗頭を⸢アイ⸣ザムトゥ[⸢ʔai⸣ʣamutu](旗頭出迎えの座)へ進め、⸢アイ⸣ザムトゥヌ ⸣ウタ[⸢ʔai⸣ʣamutunu ⸣ʔuta](旗頭出迎えの座の歌)を歌い、各トゥ⸢ニムトゥ[tu⸢nimutu](村の宗家{EOS}旗頭を保存する家)へ別れて帰り、トゥ⸢ニムトゥの門前でトゥ⸢ニムトゥヌ⸣ ウタ[tu⸢nimutunu⸣ ʔuta](村の宗家の歌)を歌いながら家の中へ入る。旗頭は一番座の東の所定の場所に立てて置きく。ピ⸢キ[pi⸢ki](血筋)の人、漕ぎ手、ティジリビー等が参加するが漕ぎ手は庭で、他の者は座敷に上がって酒肴の持て成しを受け、⸢サンバーレ[⸢sambaːreː]歌を歌う。その後漕ぎ手達は⸢パーレー⸣フニ[⸢paːraː⸣ɸuni](爬龍船)のフ⸢ナム⸣トゥ[ɸu⸢namu⸣tu](船主)の家へ、爬竜船の淦を瓶に入れて持参する。船主の家では酒肴の持て成しを受け、フ⸢ナム⸣トゥ[ɸu⸢namu⸣tu](船元)の歌を歌って解散する

パーレーフニ [⸢paːreː⸣ɸuni] (名)

  • 爬竜船。爬竜船競漕に使用する⸣イダフニ[⸣ʔidaɸuni](サバニ)。東村、西村それぞれ一艘ずつ選び出す。各家は一艘のイダフニを所有していたから、青年たちがそれらのイダフニを漕ぎ比べて船足の速いイダフニを選出し、爬竜船に決めて豊年祭の当日に青と白のペンキで船側を波形模様に装飾した。みよし(舳先)も水切りの工夫を凝らして大きな目玉をペンキで描き入れた。櫂は中心から左右に白いペンキで羽模様の斜線を描き入れて装飾をほどこした。爬竜船が一斉に漕ぎ出すと、櫂の上下する様があたかも鶏が羽ばたくように見えた。
  • Example phrases
    • ク⸢トゥシェー タッ⸣テヌ フ⸢ニ⸣バ ⸢パーレー⸣フニティ キ⸢モーッ⸣ター
      [ku̥⸢tuʃeː tat⸣tenu ɸu⸢ni⸣ba ⸢paːreː⸣ɸuniti ki⸢moːt⸣taː]
      (今年はどこの家のイダフニを爬竜船に決められたのか)

パイナー [⸢pai⸣naː] (名)

  • 延縄。 uby{釣漁法}{チョウ|ギョ|ホウ}の一つ。 uby{釣具}{ツリ|グ}の一つ。一条の長いム⸢トゥ⸣ナー[mu⸢tu⸣naː](本縄)に一定間隔にユ⸢ダナー[ju⸢danaː](枝縄)を取り付け、それぞれに釣り針をつけて釣る漁法、または漁具。鳩間島では本格的な延縄漁はなく、簡単な⸣イノーパイナー[⸣ʔinoːpainaː](沿岸での延縄漁)が行われていた。
  • Example phrases
    • ⸢パイ⸣ナー ⸢シン⸣ パル ⸣ピンマー カ⸢ツヌ⸣ ハ⸢ラ⸣ゴー ⸣キシティ ウ⸢リバ ムン⸣ダニ シ⸢ティ ホーシ⸣タ
      [⸢pai⸣naː ⸢ʃim⸣ paru ⸣pimmaː kḁ⸢ʦunu⸣ ha⸢ra⸣goː ⸣ki̥ʃiti ʔu⸢riba mun⸣dani ʃi̥⸢ti hoːʃi̥⸣ta]
      (延縄漁をしに行く時は、カツオの腹皮を切って、それを餌にして釣った)

バキサカサ [ba⸢kisaka⸣sa] (名)

  • 神女<巫女>の一人。⸢脇司」の義。サ⸢カサ[sḁ⸢kasa](司{EOS}巫女)の側で祈願に必要な祭具類を揃えたり、⸢コー⸣パナ[⸢koː⸣pana](線香や花米)の準備をし、ア⸢ライパナ[ʔa⸢raipana](花米を洗って供えるもの)の準備をしたりする巫女で、サカサの脇で手を合わせて拝礼する。それぞれのピ⸢キ[pi̥⸢ki](ひき{EOS}血統)の中から⸣サーダカマリ[⸣saːdakamari](セヂ高い生まれの人)の女性がそれになる。
  • Example phrases
    • ピ⸢キピキヌ⸣ ウガンナー バ⸢キサカサ⸣ヌ ⸢オー⸣ルン
      [pi̥⸢kipikinu⸣ ʔugannaː ba⸢kisakasa⸣nu ⸢ʔoː⸣ruŋ]
      (各ヒキの御嶽にはバキサカサ<脇司>がおられる)

パナングミ [pa⸢naŋ⸣gumi] (名)

  • 神仏に供える白米。⸢花米」の義。重箱に白米を1合、2合、3合、5合、のように入れて、それぞれイ⸢チンゴー⸣パナ[ʔi⸢ʧiŋgoː⸣pana](1合花米)、⸢ニンゴー⸣パナ[⸢niŋgoː⸣pana](2合花米)、⸢サンゴー⸣パナ[⸢saŋgoː⸣pana](3合花米)、⸢グンゴー⸣パナ[⸢guŋgoː⸣pana](5合花米)という。近しい親戚の法事には⸢グンゴー⸣パナ[⸢guŋgoː⸣pana](5合花米)に線香を添えた⸢コー⸣パナ[⸢koː⸣pana](線香と花米)を供えた。
  • Example phrases
    • カ⸢ミグトゥ⸣トゥ ⸢グァンス⸣グトゥナー パ⸢ナング⸣ミン シ⸢キ ソーッ⸣タ
      [ka⸢migutu⸣tu ⸢gwansu⸣gututunaː pa⸢naŋ⸣gumiŋ ʃi̥⸢ki soːt⸣ta]
      (神事と仏事<元祖事>には花米も供えなさった)

バングバリ [⸢baŋgu⸣bari] (名)

  • 番組。プログラム。「番組割り」の義。結願祭や豊年祭に出演する⸢バン⸣グ[⸢baŋ⸣gu](演目{EOS}番組の配置<割付>{EOS}プログラム)。結願祭は西村、東村共同の⸢バング⸣バリ(演目割り付け)を作成して友利御嶽で芸能を演舞奉納した。豊年祭では西村、東村対抗で、それぞれの⸢ゾーラキ[⸢ʣoːraki](入れ子型芸能{EOS}「常楽会」の義か)の⸢バング⸣バリ(プログラム)を作成して競演した。
  • Example phrases
    • ⸢プール⸣ヌ ⸢ゾーラキヌ バング⸣バレー キ⸢マレーン⸣カヤー
      [⸢puːru⸣nu ⸢ʣoːrakinu baŋgu⸣bareː ki⸢mareːŋ⸣kajaː]
      (豊年祭の入れ子型芸能<常楽会>のプログラムは決まったかねえ)

ピキダマ [pi̥⸢kidama] (名)

  • たこ(凧)。普通の凧は台形に作る。竹を割って幅約1,5センチ、長さ約40センチの⸣ブーブブニ[⸣buːbubuni](頭部の竹を弓状に曲げて鳴き紙を張るもの)と長さ約28センチの⸢ズーブニ[⸢ʣuːbuni](尾骨)を竹ひごで格子状に編み、紙を張って作る。頭部の竹(⸣ブーブブニ)には左右に2本の糸をつけ、胸部と腹部にそれぞれ3本の糸をつけて⸣サク[⸣sḁku](尺{EOS}勾配をつけること)を当て、尾骨に2本の糸をつけて凧を安定させる⸢ズー[⸢ʣuː](尻尾)とし、⸣サクイトゥ[⸣sḁkuitu](尺糸{EOS}勾配をつけた糸)を⸢ユー⸣ル[⸢juː⸣ru](凧上げ紐)に繋いで凧上げをした。
  • Example phrases
    • トゥ⸢シヌ⸣ユーナー ビ⸢コーンッふァヌ ブー ヤー⸣ヤ ピ⸢キダマバ⸣ ス⸢ク⸣リ パ⸢リティ グヮンタン⸣ヌ ⸣ピンマー ピ⸢キダマ⸣ トゥ⸢バシティ⸣ ア⸢サブタ
      [tu̥⸢ʃinu⸣juːnaː bi⸢koːŋffanu buː jaː⸣ja pi̥⸢kidamaba⸣ su̥⸢ku⸣ri pa⸢riti gwantan⸣nu ⸣pimmaː pi̥⸢kidama⸣ tu⸢baʃi̥ti⸣ ʔa⸢sabuta]
      (大晦日の夜には、男の子のいる家は凧を作って張って、元旦の日には凧を揚げて<飛ばして>遊んだ)

ピナカン [pi⸢nakaŋ] (名)

  • 火の神。 uby{竈}{カマド}の神様。竈の後ろに3個の石を uby{鼎形}{カナエ|カタ}に据えて、パ⸢ナ⸣イキ[pa⸢na⸣ʔiki](花生け)に花卉の枝を挿して活け、⸢コー⸣ロ[⸢koː⸣ro](香炉)を配して拝む。3個の石はそれぞれ、ヤ⸢マ⸣イシ[ja⸢ma⸣ʔiʃi](山石)、⸢ヌー⸣イシ[⸢nuː⸣ʔiʃi](野の石)、⸢カーラヌイシ[⸢kaːranu ʔiʃi](川の石)を採取して当てるという。ス⸢ク⸣マ[su̥⸢ku⸣ma](稲の初穂祭)で刈り取った初穂はピナカンに供えて竈の奥に一年間吊るしておいた。
  • Example phrases
    • ピ⸢ナカンヌ⸣マイ ⸢マイヌプー⸣ヌ パ⸢チ⸣ カ⸢ザリオーシ
      [pi⸢nakannu⸣mai ⸢mainupuː⸣nu pḁ⸢ʧi⸣ ka⸢ʣariʔoːʃi]
      (火の神の前に稲の初穂を供えて差し上げなさい)

プーザンプー [⸢puːʣampuː] (名)

  • 片帆。横風を帆にはらませて舟の推進力に転換させる構造の帆。「帆桟帆」の義か。形は⸣イダフニ[ʔidaɸuni](板舟{EOS}<サバニ>)の帆の形と同形。沖縄本島の本部より導入された帆で、それまでのフ⸢クル⸣プー[ɸu̥⸢kuru⸣puː](袋帆{EOS}真帆{EOS}和船の帆)より進んだ機能のある帆という。本部の漁師が鳩間島に来てカツオ漁、イカ釣り漁をしたとき、カ⸢ザケー[ka⸢ʣakeː](加治工家)に宿をとっていたので、その技術を加治工家の者が学び取ったという。当初鳩間島の人はプーザンプーを見て、⸣アイブ ⸣ムヌシ ⸢ティーアザナー⸣ヌ ⸣フニ ム⸢タ⸣リンカヤー[⸣ʔaibu ⸣munuʃi ⸢tiːʔaʣanaː⸣nu ⸣ɸuni mu⸢ta⸣riŋkajaː](あんな物で、手が絡み合って操船できる<舟がもてる>だろうか)と言っていたが、操船してみるとプーザンプーが便利で機能的であることに気付き、次第に一般に普及していったという(加治工伊佐直話)。ナ⸢ナタン⸣ブー[na⸢natam⸣buː](⸢七反帆」の義か)、ハ⸢チタン⸣ブー[hḁ⸢ʧitam⸣buː](「八反帆」の義か)が⸢プーシン[⸢puːsiŋ](帆船)のプーザンプー(帆桟帆)の型であったという。この帆の利点は、⸢オーラーマーレー[⸢ʔoːraːmaːreː](風上方向へ旋回すること)が可能であったことという。プーザンプーの形は長い台形をなし、約一反幅で竹竿の桟<帆桁>が7,8本付いている。それぞれの桟<帆桁>には、取り外し式のウ⸢チ⸣マー[ʔu⸢ʧi⸣maː](桟の両端に結ばれた縄)が帆柱を抱くように張られ、帆柱と帆桟<帆桁>が離れないように工夫されろとともに、帆桁の右端には⸢ティン⸣ナー[⸢tin⸣naː](「手縄」の義か)が結わえられており、それが船頭の所に集められる。船頭は風の強弱に合わせて⸢ティン⸣ナー(手縄)を引いたり、緩めたりして操船した。最下段の桟<帆桁>の四分の一程の上手に、⸢アー⸣パ[⸢ʔaː⸣pa](桟をしっかり柱に結わえつける縄)が付いている。帆は最上段の桟<帆桁>の中央部にミ⸢ナー[mi⸢naː](「水縄」の義)が結わえられ、ミ⸢ナー[mi⸢naː](水縄)を柱の先端の⸢ナン⸣バー[⸢nam⸣baː](滑車)に通して帆を引き上げた。⸣イダフニの帆柱の先端部にある、ミ⸢ナーを通す穴は、カ⸢ナミー[ka⸢namiː]という。帆の大きさには、⸢ヤイルプー[⸢jairupuː](八尋帆)、⸢ヤイルパン[⸢jairupaŋ](八尋半)、ク⸢ヌ⸣イル[ku⸢nu⸣iru](九尋)、⸣ジッピル[⸣ʤippiru](十尋)など、各種の大きさの帆があったという

ミーソーガキ [⸢miːsoːgaki] (名)

  • 藁縄などを三本縒り合わせ(掛け合わせ)て作る太い縄。船のアンカーロープを作ったり、綱引きの綱を作る際に綱を縒り合わせた。片方には三本の縄を結わえるハンドルを固定した木枠に装着し、反対側には三本の縄を一本にまとめてハンドルに結わえ、それに三つ又を当てて可動式の木枠に装着し、それぞれ右回りに回転させて uby{縒}{ヨ}り合わせること。
  • Example phrases
    • フ⸢ニ⸣ヌ ⸢アン⸣カージナー ⸢フー⸣カラジナバ ⸢ミーソーガキ⸣ シ⸢ティル⸣ ス⸢ク⸣ローッタ
      [ɸu⸢ni⸣nu ⸢ʔaŋ⸣kaːʤinaː ⸢ɸuː⸣karaʤinaba ⸢miːsoːgaki⸣ ʃi̥⸢tiru⸣ su̥⸢ku⸣roːtta]
      (船のアンカーロープは、くろつぐ<桄榔>の繊維で綯った綱を三本縒り合わせて作られた)
    • ⸣ゾーナーティ ⸢フー⸣カラジナバ ⸢ミーソーガキ⸣ シ⸢ティル⸣ フ⸢ニ⸣ヌ ⸢アン⸣カージナン ⸢ロッ⸣プン ス⸢ク⸣ルタ⸢ダー
      [⸣ʣoːnaːti ⸢ɸuː⸣karaʤinaba ⸢miːsoːgaki⸣ ʃi̥⸢tiru⸣ ɸu⸢ni⸣nu ⸢ʔaŋ⸣kaːʤinan ⸢rop⸣pun su̥⸢kuru⸣ta⸢daː]
      (庭で棕櫚縄を三本縒り合わせをして船のアンカー綱もロープも作ったのだよ)

Japanese-Multilingual Dictionary (JMDict)

Results from the Japanese-Multilingual Electronic Dictionary project (JMdict), created by Jim Breen, © Electronic Dictionary Research and Development Group.

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それぞれ夫れ夫れ其れ其れ夫々夫夫其々其其

(Common Adverbial noun)

  1. Each; Respectively
    Word usually written using kana alone

ひとそれぞれそれぞれ人其々人夫々

(Expression)

  1. To each his own; People differ; Different people (have different likes)